IRONMAN NEW ZEALAND 70.3 PART1 準備編
2025年03月28日<IRONMAN NEW ZEALAND 70.3>
トライアスリートの皆さん こんにちは スタッフの川口 遼です。
2025年、3月1日に開催されたIRONMAN NEW ZEALAND 70.3に出場してきました。
結果は、4時間24分58秒 総合13位 エイジ3位
ケガが完治し2年ぶりのトライアスロン。
このレースに復帰するまでの道のりが大変で、色んな感情を抱きながら走る特別なレースとなりました。
レースレポート編、準備編と分けて記事にしようと思います。
殴り書きの為、長文で誤字脱字はあると思いますが、ご了承下さいませ。
PART1は準備編です。取り組んできた練習と準備を記載します。
練習内容につきましては、個人の練習としてあくまで参考程度にご覧ください。
遠征の準備に関しては、これから海外遠征レースにチャレンジされたい方にとって参考になれば幸いです。
<大会出場をきめたきっかけ>
当初はIronman New Zealand 70.3に出るつもりはなく、冬場にデュアスロンに出場し石垣島からシーズンを始める例年通りのスケジュールで考えていました。弟が先にニュージーランドにエントリー。今までにやってみたことのないチャレンジをしてみようとなり、エントリーを決めました。
トライアスロンミドルは初挑戦。海外のトライアスロンに出場するのも初めてになるので、どんなレースになるか自分自身も楽しみでした。
(ロングは先に宮古島で経験)
以下、練習再開から大会までの半年間の練習です。
<大会を決めてから>
大会出場が決まったものの走れる自信がありませんでした。ご存知の方もおられると思いますが、2年前に手首の複雑骨折をしてしまい、長期休養を強いられていました。昨年に身内の不幸も重なり、ここ半年は練習を行うことができませんでした。
8月に腕のプレート抜き、9月になりようやく練習を再開しました。
<練習再開時>
練習再開直後は、まずは落ちた体力を戻すことに専念することにしました。
高強度練習はほとんどやらず、持久力系強化を目的としたLSD(ZONE2心拍管理、体感でいうと会話できる楽なペース)で練習を中心に行いました。初めは身体を動かすだけでもしんどかったので、無理に長く練習しようとせず、1時間程度のバイク又はランから始め徐々に練習時間を増やしていきました。3週目から体力が少し戻り始め、バイクは3時間から4時間のライドを取り入れました。ランは基本1時間前後になるようにしていました。
<10月>
練習再開から5週間ぐらい経ち、ようやく頑張れそうだなという感覚が出てきたので、バイク、ランでのインターバルを取り入れました。
バイクは、1.VO2Max3分6本のメニュー、2.8分走2本、6分走2本、4分走2本 各レストを2分でつなぎ、ケイデンスは60の重いギアで筋力を強化するワークアウトを主に行っていました。 ランは2km走 3-4本、クロスカントリーでの250m 10本等を主に行い、全力を出しきらないことに注意して行いました。
バイク、ランを合わせて週に1〜2回の頻度で、それ以外は基本ZONE2 LSDがメインです。
10月中頃より腕のプレートを抜いた後の骨の穴が塞がったので、スイム練習を再開。
スイムは1時間10分、週2-3回しか練習できないので基本強度高め、3400m前後
<11月>
11月入り急に調子が上がりました。11月3日に堺浜でバイク&ラン練習を実施した際はバイク35km を平均41.5km 、ラン5km18分と身体が戻ってきているのを実感。来年のレースに間に合うと希望を頂くことができ、Ironman 70.3を意識し始めました。
しかし、ここから苦労の始まりでした。
調子が良いと判断し、高強度の練習を増やします。身体は練習負荷に耐えることができず、疲れが溜まって調子は下降傾向。休む勇気があればよかったのですが、早く身体を戻したい焦りからか休めず、疲れが溜まったまま練習をこなします。
結果、疲労が重なり、11月前半のような調子が戻ることはありませんでした。
ベース(体力作り)をしっかりとしていないと、調子を上げた後にコンディションが崩れてるのが速くなります。
休養から1ヶ月半のベースのみで、高強度練習を入れすぎたのが失敗でした。
<12〜1月>
一向に調子が上がらずこのままではダメだと感じたのでベース作りからやり直します。
高強度練習は週1から2回前後で、バイク、ランのほとんどはZone2 LSDメインで練習。(スイムを除く)
年末年始の連休は5日でバイク600km、ラン50km走り込むことができ、ベースがまた少しづつ戻ってきていることを実感できました。
1月に3連覇のかかった万博デュアスロンに出るか迷いましたが、勝負できるコンディションまで身体を戻せる可能性が低かったことや、仮に上手く走れたとしてもニュージランドに向けてのトレーニングに影響が出ることから諦めました。
<2月>
練習は続けるものの大寒波の影響で練習が計画通りいかず、コンディションがなかなか上がりませんでした。正直、レースキャンセルしようかなというぐらい低調でした(汗)とりあえず我慢して練習は継続します。強度の高い練習は一月下旬より2回前後に増やし、状態が上がるのを待ちました。幸いレース1週間半前に状態が上がり始めました。
レースシミュレーションを兼ねてスイム、バイク、ランのテスト走行を実施。朝、スイム4kmほど泳いだ後に堺浜でバイク2時間走を実施しました。結果は、風が強い中2時間で平均38kmで走れ、ようやく走れる手応えを得ることができました。その後、ランを4kmだけ実施。キロ4分15秒まで気持ちよくビルドアップ。各種目のレースのダーゲットペースをイメージすることができました。
ラスト一週は練習量を半分程度に落としてテーパリングしレースに臨みました。
<総括>
最初に苦手なベース練習、LSD(ZONE2)の練習に取り組くめたことにより、体力の向上を実感できました。
最初の頃と最後を比べると、心拍数130拍の時に維持できるペースが速くなった、走れる時間が長くなったという実感がありました。
ベースを作ってからインターバルを行った際は、回復が早くなっているような印象でした。
事前にレースペースを把握できたのも良い点でした。自分が維持できるペースを知っていたおかげで、レース中にオーバーペースにならずに済んだかなと思います。実際、堺浜で行った3種目練習とレースペースがほぼ同じでした。レース2週間以上前のどこかのタイミングでレースペースを算出するトレーニングは有効的だと思います。但し、レースに近いぐらいダメージが大きいので全力ではなく少しだけ余裕を残す範囲で行うのが良いと思います。残りの余力はレースにとっておくイメージです。
課題としてはベース機関をもう少し長くし、じっくり時間をかけるべきだったと思います。1月にレースにでようか迷ったこともあり、中途半端なタイミングで高強度練を入れてしまい体調を崩すことが何度かありました。もっと早くレースプランを決断していれば、もう少し余裕をもって体づくりに取り組めたと思います。ただ、半年の短い準備期間ということを考慮すれば最低限はやれることはできたと思います。
大会の準備
1月に入ると遠征に必要な準備も並行して進めていきました。
宿、航空券はエントリーを決めてからすぐに抑えました。特にタウポは田舎町で会場近くの宿は埋まるので、早めに予約する必要があります。前日にバイクを預けないといけないので、会場から遠いと不便です。車で近くまでいけますが、駐車場がなく路駐になるのと交通規制が入るのであまりおすすめはしません。※スイム会場近くの宿に宿泊 メイン通りの前でもあり、この道路沿いには宿が集中しています。
その他、準備は以下で記述します。
<バイクの準備>
一番気使うのがバイクの梱包。
海外では荷物で雑に荷物を扱われる映像を見るので、バイクをきちんと扱ってくれるか心配でした。
Scion➕バイクに梱包材をまき、厳重にガードして持ち運びました。
結果、余計な心配する必要はなく、無事に現地で受け取ることができました。
ただ、組み立てた時にブレーキレバーが当たって動いていたので、梱包はしっかりやっておいた方が安心かなと思います。
念のため、六角セット等の工具も持参しておきましょう。※手荷物にいれると没収されますので、気をつけてください。
また、航空会社の荷物規定もしっかり確認して航空券を購入する必要があります。
最初に予約するつもりの航空会社は安かったが、自転車が持ち運びが不可。今回は、自転車持ち運びができるAir Chinaを利用しました。
1人23kgの荷物を2つまで預けることができました。※出発当時Scion とバックに荷物を分散させて荷物を預け、移動がかなり楽になりました。
※航空会社によって預け荷物の重量制限、個数制限が違いますので、自転車を持ち運ぶ際はしっかり確認する必要しましょう。
各航空会社のホームページに記載されています。
<危うく入国できず>
ビザ免除国からニュージランドに入国する際は、NZeTA(電子渡航認証)が必要になります。このことを知ったのが出発7日前で、危うくレースに出れない所でした。取得まで最大で72時間かかるので、ニュージランドに行かれる際は忘れずに注意して下さい。
アプリ、又はホームページで申請できます。
同時にNZTD(ニュージランド入国申告)もやっておきましょう。こちらもアプリで申告できます。アプリだと日本語対応
あらかじめ申告しておくと、入国の際にエクスプレスゲートを通り、長時間並ばずにすみます。
私の時は係員の誘導ミスでなぜか普通のゲートに行かされて、長時間並ばされました…
後で聞くと次からエクスプレスゲート行ってねと言われました笑
<空港から現地まで>
まずは空港でsimカードを購入。
空港で購入するとセッティングをしてくれるので便利です。
次にニュージランドドルをエクスチェンジしようとするもCLOSED.とりあえず現金はなしで向かいます。
※ニュージーランドはキャッシュレス化が進んでいて、現金を使う場面がありませんでした。今回は、カードのみで問題ありませんでした。
空港の外に出ると夜遅くなのに明るくてびっくり。写真では夕方5時半らいの景色にみえますが、実際は夜の8時半過ぎ。
日照時間の違いに驚きます。
会場のタウポまでは空港から300km離れていますので、レンタカーで向かうのがおすすめです。※日本と同じ右ハンドル左通行で運転しやすいと思います。レンタカーピックアップが分からず、案内所に聞いて何とか発見。電話して向かいきて貰い、ようやくレンタカーを入手します。荷台が大き目のタイプの車種でSCICONを2台積み込むことができ、一安心。
※運転する際は国際免許証が必要ですので、忘れずに取得しておきましょう。関西の方は門真等で当日に取得できます。
タウポまで無料の高速が続いているので利用し、4時間かけてようやく宿に到着しました。
乗り継ぎ含めて約30時間…
27日(木)深夜に無事に到着し安堵しました。
<レース当日までのスケジュール>
ニュージーランドのレース開催は土曜日で、木、金が受付になります。バイク預けは前日の金曜日です。受付とバイク預け以外は、特にやることはないので、練習したり観光したりと自由に過ごすことができます。一睡してからバイクを組み立て等、準備を始めました。私と弟のバイクにトラブルはなく、一安心しました。
まずはIronman villageに向かい受付。スタッフが親切で場所や手順を丁寧に教えてくれるので、初めてでも困ることがありませんでした。
受付を終えるとすぐに横にIronman storeがあり、記念グッズ、トライアスロン用品を購入できます。公式スポンサーのモルテン、Precisionの補給も販売しており、現地でも補給食を調達できます。その他、ショップもいくつか出店していました。
<受付後、コース試走をして調整>
大会までの数日はバイクコースの一部を1時間ほど試走。見渡す限り大草原で、信号も一回も止まらずにDHポジションで走り続けることができる最高のバイクコースでした!これだけでニュージランドランドに来る価値があると思いました。ただ、田舎町なので一度町を出るとコンビニ、自動販売機は全くありません。次の売店は50km先までないみたいな感じです。練習で走る際は補給を十分に積んでおきましょう。
スイムコースにはブイが既に経っていて泳ぐことができ、多くのトライアスリートが試泳していました。私も前日に軽くだけ泳ぎました。湖で塩分がなく、遠浅になりますので泳ぎやすいスイムコース。ブイもみえやすくて一安心です。
ランはタウポ湖沿いを走る絶景のランコースです。往路はフラット基調ですが、復路からアップダウンが続きます。
レースまでは各種目、軽めの練習のみで体調管理に努めます。練習時間が長くならないように気を付けました。
レース前日にバイクをセット。いよいよレース当日を迎えます。PART2へ続く