<大会レポート>Ironman 70.3 World Champion Ship in Marbella レース編
2025年12月1日<Ironaman 70.3 World Champion Ship in Marbella レースレポート>
トライアスリートの皆さん こんにちは スタッフの川口 遼です。
日々のトレーニングは順調でしょうか?
第二回は、2025年11月9日に開催されたIronaman 70.3 World Champion Ship in Marbella レース当日編です。
第1回は、大会までの準備を記載しておりますので、そちらをご覧下さいませ。
レース結果5時間01分44秒 総合1194位/3332中 エイジ240位/431中
まず一言を言うと、無事にゴールまで帰ってくることができホッとしています!
トライアスロン、自転車レース、国内、海外含めて色んなチャレンジをしてきましたが、自分が経験した中で最もきついレースでした。特にバイクコースは、さすが世界選手権、すごいコース作るなと思いながら走っていました(笑)
今回のパートでは、どんなレースだったたかをレポートしますので、ぜひお付き合いくださいませ!

<補給の準備>
マルベーリャの朝晩は冷え込みます。朝日が昇る時間が8時頃で遅く、日が沈みだすのも18時前と気温の寒暖差が激しい地域でした。当日の朝も結構肌寒かったので、身体を冷やさないように着込んで会場に向かいました。
会場に着くとトランジッションでバイクにボトルをセット。ロング程でないですが、それなりに距離も長いので、Maruten Drink1本、Maruten Drinkカフェイン1本、プレシジョン1本の3本を用意。
Marutenジェルも数本用意しました。バイクコース、ランコースにプレシジョン、Marutenエイドが結構ありましたので、足りなくなったら、エイドで貰う補給プランでいきました。コースによってエイドの数や配ってくれるジェルやドリンクは違いますので、事前に確認しておくことをお勧め致します!Ironmanでは、アスリートガイドに記載されているかと思います。

<スタートまで>
世界選手権は年齢別のウェーブスタートです。プロカテゴリーが先にスタートし、その後順に各エイジがスタートしていきます。
私のM30-34は、最初のスタートから1時間後でしばらく時間があった為、プロ選手をスイムスタートを観戦。
少ししか見れませんでしたが、身体つきが違い、動きもしなやかで、同じ人間とは思えませんでした。自分のスタート前にいいものが見れたとテンションが上がります!
自分のそろそろ準備も始めようとしますが、スタート時間よりもかなり早く、同じカテゴリーの選手が並び始めていました。何かあってスタートできなかったらまずいと思ってアップを諦め、スタートに向かいました。軽いストレッチ程度しかできず、スイムウォームアップエリアもなし。
冷たい水の中でいきなり泳ぎ出して大丈夫かという不安の中、スタートを待っていました。

<スイム>
スイムタイム 31分39秒
スタート前の悪い予感が的中し、スイムは今年ワーストの出来でした…
ある程度予想できたことで、練習でもあまりスイムを上げきれなかったことや、現地についてからのスイムができず、ぶっつけ本番になってしまったことが、タイムロスの大きな原因だと思います。スイムは苦手な分、改めて継続性が大切と感じました。
スタートは、勢いよく飛び出していきましたが、入水した瞬間からとにかく寒かったです。公式の水温は見ていないですが、レーススタッフに聞いた話によると水温が17度前後ぐらいだったそう(汗)しばらくは寒さで一気に身体が縮こまり、呼吸も少ししづらかったです。元々、寒さに弱い体質の私にとって、今日は厳しいレースになるだろうと思いました。とりあえず、一旦落ち着くことを優先し、ペースを少し落として泳ぎます。
半分を過ぎた所で、身体に熱が入って落ち着きを取り戻し、そこからは安定したペースに切り替えて泳ぎました。ただ、それでも頭が冷えるぐらい寒く、早くスイム終わってと思いながら耐え忍んでいました。最後のブイを回ってようやく上陸。タイムを見ると31分。時間はかかってしまったが、問題なく帰ってこれたことに安堵し、トランジッションに向かいました。T1でバイクバックを受け取り、ウェットを脱ごうとしますが、ここでトラブル発生。寒さで身体のバランス感覚が鈍くなっていました。ウェットの下半身だけではあるが、ぬごうとしても寒さで身体が動かず脱げない。もう1度、チャレンジしてもダメで、1回椅子に座りこみます。少し呼吸を整えてから、ようやく脱着に成功。この先の過酷なバイクコース生きて帰ってこれるか?と不安を抱えながらバイクスタートを切ります。
<バイク>
2時間41分47秒
バイクコースが過去最高のハードコースでした。獲得標高が約1800mに迫り、登っては下りを延々と繰り返します。平坦は最初と最後の5kmぐらいしかなかったような気がします…登りは300wattで踏んでも時速15km前後しかでませんが、下りはDHバー持ちながら時速70kmオーバーで下るというジェットコースターのようなレイアウトで、日本ではまずないコースだと思います。
●バイク前半
女子のレースやコースプロフィールを見て、バイクコースが過酷と事前に知っていたので、ペースを抑えながらスタートしていきます。
幸いスイムであったふらつきはなくひと安心。冷えた身体を温めるべくケイデンスを高めして走っていきます。270watt付近で様子をみながら走り、前の選手を交わしていきます。悪くない出だしですが、ここは、世界選手権、ヨーロッパ開催。バイクが強い選手が非常に多く、バイカー達にはあっという間に置いていかれます。そして、5km超えたあたりからすぐに第一山岳が始まります。登りが始まると外国選手よりも自分の方が体重が軽いからか、前の選手をどんどんパスしていきます。バイクはまだ頑張れるかもしれないと思って自然にペースも上がります。ただ、登っても登ってもなかなか山頂につかず、雲が近く感じられたので、まるで天国にむかっているようでした(汗)
スタートからおおよそ50分過ぎた所でようやく登頂。キロ表示をみるとまだ20km…ここまでの平均時速も25km..、290watt近いペースで走っているのにかかわらず全然進んでいない。このペースで走ったら、3時間以上かかるぞと結構絶望していました(苦笑)
下り区間に入ると、ここから恐怖の始まりです。急こう配の高速道路のような下りで、最高時速が70kmオーバーに到達します。
DHバーを持ちながら速度を維持しますが、海外選手の下りの速さは尋常じゃなく、登りでは苦労していた選手が息を吹き返したのように復活し、一瞬でおいて行かれました。恐らく80kmオーバーは出ていて、まるでフェラーリと乗用車が競争しているようでした。
そこからは登り追いつき、下りで離されるの繰り返しが延々と続いて、レースが進んでいきました。次の25kmは平均時速42km出ていたようで、すごい極端なジェットコースターコースだったことが分かります。
●バイク後半
前半終えて時計を見ると1時間24分。後半戦も頑張って行きたいことろでしたが、一転し苦しい走りが続きます。
登りは踏んで、下りで休んでの走りでインターバル練習のような走りになってしまっていた為、筋肉にだいぶダメージがたまっていました。バイク前半で前の選手についていこうとしたツケが回ってきて、体力もきつい。そこに追い打ちをかけるように、これかから25㎞登り続けなければなりません。精神的に追い込まれていました。もちろんペースはおちましたが、幸い登り区間でまだペースで走れたため、気力を保ってなんとか耐え続けました。しかし、登りが残り7km付近で、体力が切れ一気にペースダウン。下りで身体もかなり冷えたのか、足も攣りそうになります。
そこからはものすごく長く感じましたが、だましながら走り、山頂に到達。まだ20kmありますが、ここからはボーナスタイムでひたすら下るのみです。ツールドフランスの山岳コースのようなハイスピードダウンヒルで、恐怖を感じましたが、攻めて下り続けました。
ゴール残り5㎞地点まで下り、後は足をいたわりながら走り無事にフイニッシュ。バイク帰ってきた瞬間、よく無事に帰ってきたなとホットました。

<ラン>
1時間40分25秒
ランはほんの少し登りはあるもののフラット基調なランコース。応援や補給エイドも多く走りやすいランコースでした。
●ラン序盤
ランはペースを上げた練習をしてきたので、走れる自信がありました。しかし、そうは上手くいきませんでした。前ももが重度に張っていて、スタート前から攣りそうになります。恐らく、ずっと寒さに耐えながらバイクを踏んだのが原因だと思います。T2でランシューズを履き、この後にひと休みしたらもう動けない気がしたので、とりあえず痛みを無視して走りだします。走りだすと、痛いながらも身体は動き、1km4分前後ぐらいのペースで走りだします。今日の筋肉の状態を考えると持たないと思いましたが、練習ではこのペースの練習をこなせていたことと、どのみちゆっくりはしっても攣るという感触があったので、いけるとこまでいこうと思って走りました。4:00kmペースで走っていても平均ぐらいの感覚で、あのバイクコース走った後に止まりかけている人もほとんどいない。ランでもレベルの違いを感じました。
序盤は痛みはありながらもごまかすことができ、前半は9kmまでは4:15kmペース前後で走ることができました。
●ラン後半、ゴール
ごまかせていたランは、10km超えてからは筋肉が悲鳴を上げ、動かなくなり始めます。経験したことがないぐらい、足がパンパンに張り、力入れたら肉離れしそうな気配すらありました。12kmからは限界に達し、一気にペースダウン。走っては歩いてはの繰り返し、ゴールまでものすごく長く感じました。
何度も諦めたくなったものの、1人でこんな遠い地域までやってきたんだ、スイムもバイクも生き延びてきた、このままでは何もなしでは帰れない、と自分に言い聞かせゴールを目指します。そして、5時間ちょうどを回ったところでようやくフイニッシュラインにたどりつきました!まるでアドベンチャーレースを走ってきたかのようで、このハードなコースから生きて帰ってきたぞ!、完走できてうれしい!と達成感を味わうことができました。

<レースを終えて>
今回が初めての世界選手権ということで初めてのことが多く、準備からレースまでの道のりが想像以上に大変でしたが、完走できた時に報われた気がして頑張って良かったと思っています。結果としては、望んでいたタイムよりは程遠く、コースも想像以上にハードなコースで完走するだけで精一杯のレースでした。それでもゴールできたことに満足しています。5月のテレビ放送を通じてもうご存じの人も多いですが、妻の3年半のがん闘病生活の末、昨年の夏に妻が他界しました。闘病を生活を通じて(普通に運動ができ、ご飯を食べ、ゆっくり寝れる、)普通の日常にありがたさを感じたからこそ、今回チャレンジしゴールできたことに喜びを感じました。3年前、病院に通い続けていた私が想像できなかった未来です。私にとって、トライアスロンのスピリットEvery Fnisher is a winner(完走者は皆勝者)を一番体感できたレースになったと思います。
読者の皆さんも同じようにご自身のゴールに向けて挑戦を続けられていると思います。記録、順位、完走、それぞれの目標は違いますが、何かにチャレンジできることが一番の楽しみだと私は思っています。ぜひ挑戦することを楽しんで下さい!
私自身はメインレースが終わったばかりでオフシーズン中ですが、次にチャレンジ向けて楽しもうと思います!
それではまた次のブログでお会いしましょう!












